ごあいさつ

論文抄読のまとめ 2024〜 (歯科関連の方へ)

2024-07-25 21:45:00

臼歯部単冠インプラント治療におけるデジタル法と従来法における治療時間の比較

原題 :Comparison of Treatment Time for Single-Implant Crowns Between Digital and Conventional Workflows for Posterior Implant Restorations : A Randomized Controlled Trial

筆者 :Worapat Jarangkul, MSc / Chatchai Kunavisarut, MSc / 

Suchan Pornprasertsuk-Damrongsri, PhD / Tim / Joda, PhD

 

掲載紙: JOMI Vol39 issue2 P286-293

PURPOSE

臼歯部単冠インプラント治療におけるデジタル法と従来法における治療時間の比較を行い、使用材料による違いに関しても比較すること

MATERIALS AND METHODS

40名の臼歯部インプラント単冠補綴患者をワークフローによりデジタル法と従来法、及び使用ブロック(ポリマー含有セラミックと2ケイ酸リチウム)の種類により10名ずつの4グループに分類

    

・インプラントの埋入を外科医が行い、補綴処置は印象と装着を別の補綴医が行った

・技工物は熟練した技工士が作成し、データ分析は独立した研究者が行った。

・デジタル法におけるIOSiTero 5Dを用い、従来法の印象には3M Impregum Pentaを使用した。

・対合歯の印象はアルジネート印象材を用い、咬合採得はシリコンバイトを使用した。

・完成した補綴物の調整はダイアモンドバーとシリコンポイントを用いて行い、30分以上の調整が必要なケースには再印象を行った。

・チェアーサイド及びラボサイドにおける所用時間を計測し比較した。再製が必要であった場合は1時間を追加して計算した。

 

RESULTS & DISCUSSION

・ラボサイド及び全治療時間はデジタル法が有意に短かった。

・咬合面の調整にかかる時間はデジタル法が有意に短く、隣接面の調整時間には差を認めなかった。

ポリマー含有セラミック群は2ケイ酸リチウムに比べデジタル法・従来法ともに咬合面の調整時間が有意に短かった。

無調整及び再製の件数に関しては全群において有意差を認めなかった。

CONCLUSION

デジタル法、従来法ともに臼歯部単冠インプラント治療の良好な治療結果を得た。

デジタル法は従来法に比べ、使用材料に関わらず治療時間が短かった。

最終補綴の装着時間には差がなかった。

4 IOSを用いた片側のスキャンにかかる時間は従来法における印象時間より短く、ラボサイドにおける作業時間もデジタル法の方が短かった。

 

再製に関しては各グループ同程度であった。