ごあいさつ
論文抄読のまとめ 2024〜 (歯科関連の方へ)
グラフトレスの解決法としてショートインプラントを用いることについてのエビデンス
原題 :Evidence Supports the Use of Short Implants as a Graftless Solution
筆者 :Michael S Block
掲載紙: JOMI Vol40 issue5 P547-554
PURPOSE
ショートインプラント(単冠・連結冠)において使用する際の情報を提供すること
MATERIALS AND METHODS
・少なくとも1年以上経過(1990〜2023発行)した論文をPubMedにて検索
・6つの臨床的質問を設定し、上図のクライテリアを満たす50文献から1人の研究者が答えをナラティブに要約した
・ショートインプラントの定義は >8mm
RESULTS & DISCUSSION
1ショートインプラントを用いた際の全体的な成功は何か?
・システマチックレビューにおいてショートインプラントの生存率は単冠・連結冠ともにロングインプラントと同等であった(158〜6193本:観察期間は多様:生存率は92〜98%)
・4841本のインプラントを用いた後ろ向き研究にて喫煙とショートインプラントが早期脱離のリスクとなることが記されている
・34人60本のインプラント(平均39ヶ月の荷重期間)を用いた研究ではショートロングともに100%の生存率であった
・インプラント周囲炎はショートインプラントの失敗の74%に認められ、喫煙と歯周病の既往はリスクを増大するが、部位に関しては有意差を認めなかった。
2クラウン・インプラント比はショートインプラントの周囲骨レベルに関連するか?
・3本の後ろ向き研究において(クラウンインプラント比が平均2.0 :0.9-3.2)単冠・連結冠ともに関連を認めなかった。
3ショートインプラントを連結することは成功に関係があるか?
・ショートインプラントを連結した際の生存率は87.6-98.9%で、周囲粘膜炎は22.5%、インプラント周囲炎は7.2%であった。
・95人209本の連結冠インプラントに対しての調査においての5年生存率は6mmが96.0%、11mmが98.9%であった。
4ショートインプラントの単冠補綴に長期予後はあるか?
・単冠のショートインプラントにおけるシステマチックレビューでは、生存率は95%、37.9%に出血、22.45%にインプラント周囲炎、11.29%に感染が認められた。
・5年の前向き研究では、単冠のショートインプラントは成功率86.7%で10mmインプラントでは96.7%であった。
5上顎洞挙上術を併用するロングインプラント治療以上にショートインプラントを用いることは有用か?
・包括的な論文がないため限定的ではあるがショーインプラントの方が合併症は少なく、生存率のリスクレシオは1.02であった。
6骨増成が必要な部位にショートインプラントを用いる際の成功率は?
・4骨増生の失敗歴のある35名の患者に
4mmのショートインプラントの連結冠治療を行なった調査では、平均41ヶ月の予後において98%の生存率で、軟組織の評価も含めた荷重後の生物学的5年成功率は86.4%であった。
・ショートインプラントの生存率は84%、骨造成を伴うロングインプラントが96%との報告があり、ショートインプラントが遜色なく使用できるとされているが、これは早期脱離を除いたデータである。
CONCLUSION
ショートインプラントの連結冠治療はロングインプラントと比較し遜色がないが、単冠は失敗率が高く、その理由は周囲粘膜の炎症によるインテグレーションの喪失と考えられる。