ごあいさつ

論文抄読のまとめ 2024〜 (歯科関連の方へ)

2024-03-26 22:39:00

歯科研究者のためのデータ分析ガイド 2

PURPOSE

歯科研究者がデータ分析をする際に統計担当者とともに適切な手法を選択できるガイドを提供すること

 

MATERIALS AND METHODS

縦断研究と生存時間解析に適した統計手法を列記する

 

A縦断研究

1 同時点から開始された縦断研究で説明変数が1つの場合

歯磨剤の使用と、インプラント周囲炎の兆候を認める患者の自覚的な口腔内満足度の関係を経時的に調べたい場合など

→ RMANOVA

 

2 ある項目を繰り返し観察する縦断研究

 2種類の歯磨剤の使用(同時に介入して

いなくても良い)により患者の自覚的

満足度が異なるかどうかを調査したい

場合など → 線形混合モデル

アウトカムがカテゴリカルデータの場合

→ 一般化線形混合モデル

 

3 2種類の歯磨剤の使用時間も加味した条件で(アウトカム間に未知の相関関係がある可能性がある)調査を行いたい場合など → 一般化推定方程式

 

B 生存時間解析

4 説明変数が1つのカテゴリカルデータ

 2つの治療法におけるカプランマイヤープロットに差があるかどうかを調べたい場合 → ログランク検定

 

5 説明変数が1つ以上のカテゴリカルデータもしくは連続変数

年齢、使用材料、加入保険の種類の違いがそれぞれどの程度生存時間に影響を及ぼしているかを調べたい場合

 Cox比例ハザードモデル

 

CONCLUSION

歯科研究者は統計担当者とともに自身の研究デザインに適した統計手法を選択することが推奨される

2024-03-26 22:37:00

歯科研究者のためのデータ分析ガイド

PURPOSE

歯科研究者がデータ分析をする際に統計担当者とともに適切な手法を選択できるガイドを提供すること

MATERIALS AND METHODS

様々な想定されるシナリオごとに適した統計手法を列記する

A目的変数が二分法のカテゴリカルデータの場合

1 単独の試験の場合

 新しく開発された薬剤の有効性が予想される値に比べて有意差を持つかどうかを調べたい場合など → 二項検定

2 説明変数が1つでかつ二分法の場合

 同一でない非験者において電動ブラシの使用の有無によって6ヶ月後のインプラントの生存率に差があるかどうかを調べたい場合など →カイ2乗検定

同一非実者において電動ブラシを使い始めた群と使わなかった群との間に生存率の差を認めたかどうかを調べたい場合など → マクネマー検定

3 説明変数が1つのカテゴリカルデータの場合

電動ブラシの使用回数が0回・1回・2回/1日の3群における6ヶ月後の生存率を調べたい場合など → カイ2乗検定(ただしオッズ比は参照群を設定して算出する必要がある)

4 説明変数が1つの連続変数の場合

 1週間の砂糖の平均摂取量と6ヶ月後のインプラントの生存率を調べたい場合など → t検定 

5 複数の説明変数の場合

説明変数はカテゴリカルデータでも連続変数でもあるいはその両方でもよく、複数の因子を持つ場合の分析

→ロジスティック回帰分析

目的変数が二分法でないカテゴリカルデータの場合

 Table3 参照

目的変数が連続変数の場合

6 単独の試験の場合

被験群における1週間の清涼飲料水の摂取量を調べたい場合など → t検定

7 二分法の説明変数が1つの場合

インプラント治療前・後におけるQOLスコアの違いを調べる場合など

 2標本t検定

8 説明変数が1つのカテゴリカルデータの場合

1日のブラッシングの回数が0回・1回・2回以上の3群におけるQOLスコアの違いを調べる場合など → ANOVA

9 説明変数が1つの連続変数の場合

 清涼飲料の摂取量とQOLスコアの関係を調べる場合など → ピアソンの相関係数 スピアマンの順位相関係数 単回帰分析

10 複数の説明変数の場合

 説明変数はカテゴリカルデータでも連続変数でもあるいはその両方でもよく、複数の因子を持つ場合の分析

 重回帰分析

 

2024-02-04 21:17:00

インプラント治療素材としての合金・ジルコニア・ハイドロキシアパタイトにおけるバイオフィルムの形成

原題 :Biofilm formation on metal alloys and coatings, zirconia, and hydroxyapatite as implant materials in vivo

筆者 :Donat Meier, Monika Astasov-Frauenhoffer, Tuomas Waltimo, Lucia K. Zaugg

Nadja Rohr, Nicola U. Zitzmann

掲載紙: COIR Vol34 issue10   P1118-1126

 

PURPOSE

インプラント治療において粘膜貫通部分に使用する可能性のある材料のバイオフィルム形成を調べること

 

MATERIALS AND METHODS

18人(7 11)の健康なボランティア(2167歳:平均42.8歳 )に8種類(AgAuPd, AgPt, PA, HA, TiZr, TAN, TiGr4, Zio2 )の材料を用いて調査

・各材料2つずつの円盤をランダムに設置したスプリントを口腔内に装着し、27時間装着後(食事及び清掃の3時間を非装着とし、24時間の装着)に付着するバイオフィルムの観察を行った。

・バイオフィルム塊の計測及び生存細胞の割合の推定を行った。

・1検体においてSEM分析を行った。

 

RESULTS & DISCUSSION

・サフラン染色されたバイオフィルム塊はAgPtが最も少なく、最も多いZrO2においてはAgPt 9.1倍であった

CFUAgPtが最も少なく、最も多いZrO2においてはAgPt 18.5倍であった

SEM像においてAgPtにもバクテリアが認められた。

・各検体における細胞の生存能はPAが最も高く、HAが最も低かった。

 

CONCLUSION

・貴金属はいずれの検体(Agpt, AgAuPd, PA)においてもバイオフィルム形成、線維芽細胞の生存共に有益であり、インプラント治療に適している。逆にZrO2, TiZr,HA,TiGr4,TANは不利である

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